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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100818-00000004-fsi-bus_all" target="_blank">欧州で失速、トヨタ３割減　７月販売　市場縮小に円高直撃（フジサンケイ　ビジネスアイ）


　欧州での自動車需要急減と円高により、日本車メーカーが苦境に立たされている。７月は、トヨタ自動車など、欧州で一定のシェアを持つ全社が販売を減らした。各国政府の新車購入支援が終わるのに前後してギリシャの財政危機が表面化して市場が冷え込んだ。さらにユーロに対する円高が追い打ちをかけ、収益を圧迫。トヨタは英国での生産を縮小した。業績への影響は小さいが、“激戦地”欧州市場で存在感を失えば、世界的な競争で後手に回る懸念が強まる。



　自動車市場情報の提供などを行うＪＡＴＯダイナミクスによると、７月の欧州市場は前年同月比１７．４％減と、４カ月連続のマイナス。日本車メーカーも軒並み販売を減らし、スズキやホンダは４割減、トヨタは３割減となった。欧州での上位５社の４?６月期をみても、前年を上回ったのは日産だけだ。



　欧州最大の市場であるドイツでは昨秋、英国などでも今年に入って新車購入補助が終了。ギリシャに端を発した信用不安も景気を冷やした。



　トヨタは「欧州市場全体が厳しく、しばらくこの状況が続く」（伊地知隆彦専務）として、２０１１年３月期の欧州での連結販売台数を期初の予想から１割引き下げた。需要減に対応するため、英国の工場の２生産ラインを７月から１ラインに縮小している。



　全体の市場減だけでなく、「日本車の存在感が薄くなっている」（ＪＡＴＯ）ことも気がかりだ。７月の車種別でベスト５０位に入った日本車は、日産のＳＵＶ（スポーツ用多目的車）「キャシュカイ」（９位、日本名デュアリス）、トヨタの小型車「ヤリス」（２８位、同ヴィッツ）など３車種だけ。０９年後半には月平均５車種がランクインしていた。もともと欧州は独仏伊の現地大手が強く、市場縮小で“地力”の差が出たようだ。



　円高も懸念材料だ。欧州で販売する車のほぼ全量を輸出しているマツダはユーロに対して１円円高になると、年間の営業利益を１２億円押し下げる。４?６月期は前年同期に比べ１６円の円高となり、ユーロだけで約３９億円の減益要因。同期の営業利益６３億円の約６割に相当する。



　９月末で国内市場でも購入補助金が終わり、欧州市場の低迷は対岸の火事ではない。円高による業績悪化懸念が重なり、自動車需要の低迷が景気の悪循環につながる可能性がある。（高橋寛次）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇



　■自動車大手の欧州での７月販売実績と対ユーロの為替レート・感応度



　　　　　販売台数　　　　　　　想定レート　感応度



トヨタ　４３８９０（▲２８．７）１１２円　５０億円



日　産　３４３０８（▲　７．７）１２０円　　　軽微



スズキ　１３０７４（▲３８．８）１１５円　　７億円



マツダ　１２８０６（▲１９．６）１２５円　１２億円



ホンダ　１２１１９（▲３６．７）１１２円　１５億円



　※販売台数はＪＡＴＯ調べ、カッコ内は前年同月比増減率（％）、▲はマイナス。想定レートは２０１１年３月期。感応度は１円円高になったときに通期の営業利益に与えるマイナスの影響



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