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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100618-00000000-fsi-bus_all" target="_blank">３％成長「１０％」いらず　民間試算　２０年度消費税８％（フジサンケイ　ビジネスアイ）


　政府は１８日、日本経済の「新成長戦略」を閣議決定し、週明けには財政健全化に向けた「財政運営戦略」などの枠組みもまとめる。両戦略を政策の柱に掲げる菅直人首相は１７日、当面の消費税率（現行５％）について１０％を軸に検討すると表明したが、民間エコノミストは「成長戦略が前提としている『名目成長率３％』を達成すれば、消費税率は２０２０年でも８％で済む」との試算結果をはじき出した。しかし、日本経済の現状を考えれば名目３％成長の達成は極めて高いハードルだ。そこで、複数の成長シナリオを想定して消費税率のシミュレーションを行ってみた。



　「今回の成長戦略では、なるべく財政（支出）を伴わないもの、規制の緩和・強化で需要が増加されるものを中心に選んだ」。荒井聡国家戦略・経済財政担当相は１８日の記者会見でこう述べ、財政状況に配慮しながら新しい成長戦略を実行していく考えを示した。



　新成長戦略では、２０年度までの平均で名目プラス３％（実質プラス２％）の経済成長率を目指し、環境・健康・観光などの分野で約５００万人の雇用を生み出す考えだ。一方、財政面では借金に頼らずに財政運営ができているかを示す、国と地方の基礎的財政収支（プライマリーバランス＝ＰＢ）を２０年度までに黒字化させる目標だ。



　第一生命経済研究所の永濱利広主席エコノミストの試算では、２０年度までの平均の名目経済成長率として０?４％の５パターンを想定。これに沿って、２０年度のＰＢ黒字化に必要な消費税率がどう変化するかを探った。政府の歳出・歳入は０８年度までの国民経済計算をもとに、成長率に連動すると仮定した。



　その結果、民主党政権が描く「名目３％成長」の前提では、１６年度に消費税率を６％、１８年度に７％、２０年度に８％と、２年ごとに１％ずつ引き上げることが必要という。１０年度に２７兆８０００億円だったＰＢの赤字は、１５年度に半減し、２０年度には１兆８０００億円の黒字に転換するシナリオだ。



　だが、３％成長の実現性について永濱氏は「かなり楽観的だ」と厳しい見方を示す。その理由は人口減少だ。成長には資本、労働、技術の３要素が必要とされるが、「資本と技術でいくら頑張っても達成は難しい」（永濱氏）ため、“絵に描いたもち”に終わりかねない。



　◆ゼロ成長なら１８％の高負担



　では、より現実的なシナリオとして名目成長率が政府目標を下回った場合はどうか。永濱氏は名目成長率が０％、１％、２％のケースも試算した。



　政局も絡み、民主党内には増税時期が「最速で２０１２年秋」（玄葉光一郎政調会長）との声も出ているが、多くのエコノミストは次期衆院選後の１４年度ごろとみている。試算では１４年度に消費税率を３％引き上げ８％とすることを前提条件とした。



　永濱氏が「妥当」とする名目成長率２％の場合は、消費税率をいったん５％から８％まで引き上げた後、さらに２０年度までに消費税率を１１％に引き上げる必要がある。さらに成長率が下ぶれし、１％成長となった場合は税率を１５％、ゼロ成長の場合は１８％にまで増税する必要が生じ、欧州諸国のような高負担型の社会も視野に入ってくる。



　一方、自民党やみんなの党が掲げるシナリオは、政府目標をさらに上回る「名目４％成長」だ。自民党は参院選マニフェスト（政権公約）で「デフレ脱却を急ぐため、物価目標を定めるといった金融緩和や国際協調などあらゆる政策を総動員」し、４％成長を目指すとしている。



　永濱氏の試算では平均４％成長を達成すれば、消費税率を５％のまま据え置いても１９年度にはＰＢ黒字化を達成できるという。だが、景気には浮き沈みがあるため、年度によっては５?６％という金融危機前のＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）並みの高成長を迫られる。



　成長余地に乏しい日本の名目成長率は過去１０年間の最高が０６年度の１．５％。画期的な技術革新やバブル並みの好景気でも訪れない限りは、自民党などが掲げる目標は「夢のような数字」といわざるを得ない。（田端素央、会田聡）



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