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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100602-00000031-fsi-bus_all" target="_blank">鳩山首相、無責任な経済政策　暮らしに「借金」のつけ回し（フジサンケイ　ビジネスアイ）


　鳩山由紀夫首相は家計支援重視の経済政策を掲げ、自民党政権との違いを打ち出した。だが、実態はマニフェスト（政権公約）関連政策の迷走で国民の信を失っただけ。郵政民営化見直しなど批判の多い政策や財政問題もたなざらしで、「無責任」とのそしりは免れない。



　「国民のため予算を成立させることができたことを誇りに思う」。退陣を決意した鳩山首相は、自ら掲げた生活重視の経済政策をこう振り返った。自画自賛とは裏腹に２０１０年度当初予算は、目玉政策の実現に固執したものの、財源不足から次々と見直した。「命を守る」と大風呂敷を広げた予算だが、結果的に選挙目当ての単なる「バラマキ」だった。



　１日に支給が始まった子ども手当はバラマキの典型。半額支給の初年度で約２兆３０００億円の財源が必要で、当初の予定通りに１１年度から満額支給に踏み切れば財源は２倍に膨らむ。



　「ギリシャのようになってはいけない」。財政破綻（はたん）を危惧（きぐ）する菅直人副総理・財務相らの「満額回避」論が政府・与党内で大勢を占め、現金による満額支給は見送る方向だ。他にも財源難から見送られたガソリンの暫定税率廃止、“骨抜き”状態の高速道路無料化…。公約をめぐっては場当たり的な対応ばかりが目立った。



　野党や世論の反発をごり押ししたあげく、“投げ出す”政策も少なくない。「２０２０年までに１９９０年比で温室効果ガス２５％削減」。先進国で最も厳しい目標をぶち上げた地球温暖化対策基本法案は「実効性が不明な点が多い」（森詳介関西電力社長）との産業界の反発にかかわらず衆院で強行採決。言い出しっぺの首相が退陣する事態に「無責任」との声が企業から上がる。



　郵政改革法案も審議１日で衆院を通過したが、奥正之・三井住友銀行頭取は「官業肥大化を目指すもの」と反発。金融機関が取引先企業の融資条件の変更に応じることを促す「中小企業金融円滑化法」も金融機関の批判は尽きない。



　鳩山政権の経済政策に常に立ちはだかった「財源のカベ」。予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」など歳出削減に取り組んだが、財源捻出（ねんしゅつ）効果は薄かった。１０年度予算は税収減で歳入が減る一方、歳出は過去最大の９２兆円に。財源は新規国債発行でまかなうしかなく、発行額は過去最悪の４４兆円に膨らんだ。



　８カ月の漂流の末、借金だけを置き土産にした鳩山政権。今回の辞任で支持率が一時的に回復しても、国民の暮らしを向上することにはつながらない。（柿内公輔、田端素央）



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