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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100602-00000020-spnavi-socc" target="_blank">オランダ代表、ファン・デル・ファールトが大活躍でアピール（スポーツナビ）


　オランダ代表は１日、ガーナ代表と国際親善試合を行い、カイト、ファン・デル・ファールト、スナイデルらのゴールで４?１と快勝し、ワールドカップ（Ｗ杯）・南アフリカ大会に向けて弾みをつけた。



　観客は試合に飽きていた。ピッチとの流れとは無関係に高速ウェーブが何周もグルグル回っていた。ファン・ボメルとのワンツーからファン・デル・ファールトが鮮やかにゴールを決めて２?０とし、ファンの目はややピッチに戻り始めたものの、７８分には守備のミスから１点差に詰め寄られてしまい場内の雰囲気がやや気まずくなった。コミュニケーションミスを起こしたセンターバックのマタイセンと、左サイドバックのファン・ブロンクホルストは互いを非難し合っていた。



　そんな空気を一変させたのがファン・デル・ファールトのビッグプレーの連発だった。失点直後、ファン・デル・ファールトはセンターサークルから絶妙のロビングシュートを放った。しかしガーナのＧＫキングソンが懸命に戻って指先でシュートをかき出し、ＣＫに逃れた。そのＣＫをファン・デル・ファールトはペナルティーエリアの外にいたスナイダーの足元へピタリと合わせた。選択肢はただ１つ、ボレー。アヤックスコンビによる意表を突いたセットプレーからオランダは３?１とダメ押しゴールを奪い、スタジアムは最高潮に達した。

　８５分にもファン・デル・ファールトはドリブルからＰＫを誘い、ファン・ペルシのゴールに貢献している。１ゴール、１アシスト、１ＰＫ奪取。たった２７分間のプレーだったが、ファン・デル・ファールトはだらけたスタジアムを一気に引き締め、さらに歓喜の場へと昇華させた。



「ラファエル(ファン・デル・ファールト)のゴールは“ティピシュ・ファン・デル・ファールト・ゴール”ではなかった」とファン・マルワイク監督は、７３分に挙げたファン・デル・ファールトのゴールを語った。“ティピシュ”とは、ここでは“彼独特の”という意味を持つ。これまで何度もファン・デル・ファールトはストライカーのようなゴールを決めているが、それでもなおファン・マルワイク監督にとって彼のゴールはセンターサークルからのひらめきのシュートのようなファンタジスタのイメージがあるのだろう。

「クリエーティブな選手がたくさんいると、ペナルティーエリアの深い位置に行けないものだが、ファン・デル・ファールトはそれをよくやってくれた」。ファン・マルワイク監督は何度も「ディープ（深い位置）」という言葉を連発しながら、ファン・デル・ファールトの動きを褒めた。



　この日のオランダ代表は規定演技を繰り返しているようだった。ファン・ペルシ、カイト、スナイデル、アフェライによるワンタッチパスはリズミカルだし、セントラルＭＦのファン・ボメルとデ・ヨンのコンビは相変わらずたくましかった。弱点とされる守備も、ガーナのカウンターを受けて最終ラインが２対２にさらされながらアタッカー陣も機敏に戻って破たんしなかった。

　やるべきこと、確認すべきことを規律正しくこなしながらも、あと一歩シャープさに足りないオランダ代表。だからチャンスはほどほど、ピンチはないという面白みに欠ける試合になった。しかしファン・デル・ファールトが入ってオランダは自由演技に加え、エキシビションのような面白さが加わり、最後はスタンディングオベーションで試合を終えた。



　メキシコ戦に続きガーナ戦でも先発したアフェライのパフォーマンスも悪くなかった。ハーフタイムではオランダ人たちが「アフェライはいいねえ」と語っていた。だが、前の試合と同様、アフェライは後半に入ると消えかかってしまい、６３分にファン・デル・ファールトと交代した。

　アフェライか、ファン・デル・ファールトか。それともＷ杯初戦のデンマーク戦では２人ともベンチに座るのか。オランダのアタッカー陣はファン・ペルシ、スナイデル、ロッベン（負傷明けのため、５日のハンガリー戦で復帰予定）がレギュラーの座を確定させている。残るは１枠。ここまでカイトが右アウトサイドのポジションでリードしてきたが、オランダでは必ずしも安泰とは見られていない。



　ベストの選択と誰もが納得する理由――いつの時代も悩まされるオランダ代表監督の悩みはファン・マルワイクにとっても同じ。そしてメディア、ファンの格好の話題となっている。



-Toru Nakata from Holland-



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