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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100911-00000009-cnn-int" target="_blank">米国で増える停電　電力網「スマート」化の動きも（CNN.co.jp）


（CNN）　米東部が猛暑に見舞われた7月、ニューヨーク市内ではエアコンなどによる消費電力量が増大し、各地で起きた停電により約5万2000世帯が影響を受けた。米国内では近年、こうした停電が増加傾向にあり、対策として「スマートグリッド」と呼ばれる新たな電力網を導入する動きもみられる。



米ミネソタ大の研究によると、2001―05年に災害関連以外の停電が発生した回数は92回と、1991―95年の41件から2倍以上増加した。最新のデータとなる06年は、1年間だけで36件に達した。



ローレンス・バークレー国立研究所が実施した08年の研究によると、非災害時の停電はアイオワ、ミネソタ、ミズーリ、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、カンザス州といった中部一帯では比較的少なく、年間平均92分間。最も多いのはニューヨーク、ペンシルベニア、ニュージャージー州の平均214分間だった。日本の平均4分間に比べると、いずれにしても大きな差がある。



米北東部や南東部で停電が目立つ背景には、送電設備などの老朽化があるとみられる。ミネソタ大のマスード・アミン教授は「米国は1960?70年代の技術で世界最先端の経済を稼動させている。設備を近代化しなければ、経済大国としての地位が脅かされるだろう」と警告する。



記憶に新しいところでは03年8月、倒木がきっかけとなって米東海岸の8州からカナダにかけての広範囲で停電が起き、推定5000万世帯に影響が出た。経済損失は60億ドル規模と試算された。

アミン教授らは、電力供給を自動化するスマートグリッドの導入により、こうした損失を避けることができると主張する。スマートグリッドは電力供給の信頼性や安全性、効率性を高めるほか、風力や太陽光など新エネルギー源との接続が容易で、電気自動車の充電や家電製品の制御にも活用できるのが特長だ。



ニューヨーク市の電力会社、コンソリデーテッド・エジソン社は2013年4月までに、消費電力の急増に対応して供給経路を自動的に切り替える新装置の導入を完了する予定。同社によれば、このような装置があれば今年7月のような事態を避けたり、被害を縮小したりすることができる。



「全米の2?3年先を進んでいる」と自認するのは、テキサス州オースティンのオースティン・エナジー社だ。同市では各世帯のエアコンを遠隔操作して消費電力量の制御を可能にするため、サーモスタットの無料配布が始まっている。市内70万カ所の街灯をスイッチ1つで点灯、消灯し、年間34万ドルの電気代節約、二酸化炭素排出量200トンの削減を目指すシステムも、今夏中に完成する見通し。



スマートグリッド導入の第一歩とされる「スマートメーター」は、市内40万の全世帯で設置済みだ。市内のどこかで停電が起きれば自動的に通報され、同社から復旧見通しなどの情報を提供することができる。電力供給が安定すれば製造業の誘致にも有利となり、地元の雇用拡大につながると、同社は強調する。



だがアミン教授も指摘するように、全米規模でスマートグリッドを整備するには莫大なコストと手間がかかる。米エネルギー省は、2030年までに最大1兆5000億ドルの予算で実現できると試算しているが、この費用をだれが負担するのかは不透明だ。オバマ政権は約40億ドルの投資補助金を投入する構えを示している。



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