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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110306-00000009-fsi-bus_all" target="_blank">日本製紙、繊維カスから海洋土木材（フジサンケイ　ビジネスアイ）


　日本製紙は、紙の製造過程で生じる繊維カスの燃焼灰と、海底にあるヘドロ状の土を混ぜた新たな土木材料の開発に成功した。この材料を護岸に活用することで干潟の海洋生物の回復を確認した。同社では、新たな海洋土木材料として事業化を目指す。



　同社の製紙工場で発生する燃焼灰は年間約２０万トン。多くはセメント材料として活用されているが、３年前から海洋土木材料としての活用の研究開発に着手していた。



　燃焼灰は吸水性に富み、水分と反応して固まる特徴があることから、今回、港湾の浚渫（しゅんせつ）作業などで出た浚渫土と混ぜ合わせて固形化し、粒状にして護岸工事などで石などとともに使う新材料とした。浚渫土は全国で年間２０００万立方メートルが発生、処分コストの問題もあり、その有効利用が急がれていた。



　新材料は、水中に酸素などを取り込む効果があるとみられ、熊本大学沿岸域環境科学教育研究センターの滝川清教授らが実証実験を行ったところ、アサリの稚貝などが多数発生し、生物多様性の回復につながることが確認できた。



　実験は八代工場（熊本県）の周辺の熊本港で行われた。周辺は干潟埋め立てなどによって海底にヘドロが堆積し、水質悪化が見られる海域で、汚濁物質がたまりやすい入り組んだ地形になっている。



　海洋生物の多様化を促す取り組みとしては、製鉄工程で出る副産物「鉄鋼スラグ」を使った海中の藻場再生などの例もあるが、同社では干潟環境の回復ばかりではなく、軟弱地盤を改良するために砂杭（すなぐい）を打ち込む海洋土木用材料としての用途開発も進める方針だ。（川上朝栄）



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